こんにちは。エムスリーキャリアでQAを担当している@tak_koheiです。
このエントリーは、エムスリーキャリア Advent Calendar 2019の5日目です。
先月、JaSST Review '19に参加してきました。
www.jasst.jp
JaSST Reviewはソフトウェアレビューに関する取り組み事例や関連研究などの活動事例を共有するシンポジウムです(詳細は上記リンク参照)。私は今回が初参加だったのですが、興味深い発表やパネルディスカッションが盛りだくさんで、非常に学びや気付きの多いイベントでした。
中でも深谷美和さんの「『違和感のつかまえかた』~組み込みシステムの開発者(テスター)としてやっていること~」という発表が私達のQA活動の中でも活用できる内容だったので、「これは是非みんなに伝えなければ!」と社内のQAチームメンバーに共有してディスカッションをしてみました。
(テスターとしてどのように違和感を捉えて不具合検出につなげているかというお話です。講演でお話されていた内容も全てスライドに記載されているので、講演を直接聴講されていない方でも分かりやすい資料になっていて、素晴らしいので是非ご覧ください。)
メンバーとのディスカッションの中で新たな気付きを得たり考えを深めたりできたので、実際にどんな方法で共有したのかや、どんな気付きが得られたのかなどをここで共有しようと思います。
QAチームの社内勉強会で気付きを共有してみた
参加者
JaSST Reviewに参加した2名と参加していない4名の計6名
(全員QAを担当しているメンバーです)
進め方
全員でスライドを見ながら、気になったページについて意見を出し合ってみました。
その際、どんなことを考えながら見れば良いか、以下のようなガイドを用意しました。
- 自分たちの日々の業務に置き換えて考えてみよう
- 違和感が不具合の発見につながった経験はあるかな
- 普段どんなところから違和感を感じているのかな
- 違和感にもっと気付き易くするためにはどうすれば良いだろう
- 違和感をもっと気軽に発信するためには何が必要だろう
どんな気付きがあったか
以下はメンバーから出た意見や気付いたことです。
要件/仕様/設計レビューでどうやって違和感を捉えるか
- たしかに仕様に対してモヤモヤすることは多いけど形にならないことが多い
- どんなことにモヤモヤするんだろう?
- 仕様に対する不安:この仕様でユーザーが困ることがありそう
- 仕様バグっぽい既視感:似たような機能で仕様バグを見たことがある
- 複雑さに対する警鐘:機能が複雑すぎて不具合が入り込みやすそう
テスト設計やテスト実施でどうやって違和感を捉えるか
- 狙ってバグを捕まえにいくのが難しい
- アプリの壊し方をもっと学ぶ必要があるのかもしれない
- 学ぶというより考える癖付けとかなのかな
違和感を捉える感度をどうやって向上させるか
- 違和感を拾うために自分自身のことをもっと良く知ることが大切
- どんな性格かとか、どんな思考に陥りがちなのかとか
違和感を発信していかに周囲と共有するか
- 違和感を言語化する能力がとても大切
- 違和感に気づいてから、いかにライトに周囲にそれを伝播できるかも大事
気付きを活かそう!
気付きの中にあった「違和感に気づいてから、いかにライトに周囲にそれを伝播できるかも大事」という意見を受けて、違和感に気付いたらすぐに共有してみようという取り組みを始めることにしました。
どうやって共有するかの取り組みが以下です。
取り組み その1:Slackでつぶやく
- 例:「このメッセージの日本語に違和感あるんだけどどう思う?」
- 例:「この画面の構成って使いにくい気がするんだけどどうかな?」
- 例:「あれ?変だな」「気のせいだった!」←実際にあった事例
ふわっとした内容でも共有するとみんなが見てくれて意見をくれるので、違和感が手軽に形になります。時間もかからないのでリーズナブル。すぐに共有して見てもらう目を多くすることで、違和感を形にしやすくなっていると思います。
取り組み その2:社内勉強会のネタとして投げ込む
- 例:「xx機能のテストを今度やるんだけど、みんなでモブテスト設計やろう!」
- 例:「〇〇機能の改修で機能が複雑になってきたんだけど仕様の漏れが無いか見て欲しい」
ある程度の時間が必要なものは毎週開催している社内勉強会のネタとして投下します。ネタの提案者は参加者に説明するので理解が深まるし、QAメンバーがよってたかって質問するので仕様の抜け漏れだったり不備を見つけやすいです。テストのときにみんながどんなことを考えているかの共有にもなるので、スキルアップにもつながります。
それと、テストをする時に狙って不具合を出しにいくのが難しいという人もいれば、結構得意だという人もいたので、私達のプロダクトに特化したテストの観点を抽出して共有できるようにしよう、という取り組みも始めています。その話はまた別の機会に。